2007年06月11日
西会津健康シンポジウムとコムスン介護事業問題
9日は西会津で行なわれた「〜健康づくりのための食事と運動〜健康講演会・シンポジウムinにしあいづ」に参加した。
いきなり村でやっている「ダンベル体操」のデモンストレーションから始まったのにはびっくり
西会津は保健・医療・福祉を連携する「トータルケアの町づくり」に取り組んで、かれこれ13年近くになる。
この西会津の取り組みは、実は全国的にも有名だ。というのはこの13年にわたる細やかなケアーの結果、町の国保一人当たりの医療費は平成16年度、老人医療費で全国平均より△141,841円、一人当たりの国民健康保険税(介護分含む)で△21,684円と少なく、医療費総体が圧倒的に減っているという結果が出ているからだ。
高齢化率35.90%(国の高齢化率17.30%)という、日本でも有数の高齢化率の高い町での話しである。つまり介護を必要としないお年寄りがとても多くなったのだ。いわば予防介護に徹した結果なのだ。
西会津町の詳しい取り組みはここをクリック
さらに「町の紹介」のなかの「百歳への挑戦」をクリック、さらに「トータルケアーの歩み」をクリックすると詳しい報告書がPDFで見ることが出来る。
この町は、最初から予算を取り、栄養学などのプロ、つまり研究者との連携をきちんと図り、さらに町内のコミュニケーションを確実にするため、町独自のケーブルテレビ局まで立ち上げ、料理メニューや具体的取り組み番組を作るなど、今や一人一人の健康情報(カルテ等)をトータルにケアーするインターネット環境も完璧だ。
写真は村のケーブルテレビ局、インターネットも完備
さらに特筆すべきは、農業自体にメスを入れたことだ。
西会津は町をあげてミネラル野菜作りに取り組んでいる。これはミネラル農法で有名な中島充氏の指導によるものだが、日本の農地は化学肥料の多投で、いわゆるチッソ、リン酸、カリ、特にチッソ過剰状態、その結果、微量要素(マンガンとかマグネシウム等)が不足し、健康な野菜が育たない。従って、土壌分析をしっかりした上で不足しているミネラルを補充しながら土壌改善をする。健康な野菜はいい土からが原則。結果、作物自体が丈夫になり、農薬も減る。
滋味豊かな土で育った健康な野菜は味もいい。そしてミネラル野菜をたくさん食べる。この町が選択した医療費削減、介護の充実を図る基本の取り組みだ。
コムスン介護問題
ちょうどコムスンの介護事業が問題になっている。ちょっと容認できるようなことではないが、何故そうなったか。個人の資質ではなく、原因は冷静に見つめなくてはならない。
西会津のようなしっかりした取り組み。ケーブルテレビによるコミュニケーションとそのインフラを利用したインターネットによる個人別カルテでの、在宅ケアー体制という最先端技術から、「一粒の畑の土作り」にいたる奥の深い取り組みと比較すると、今回のコムスンそして国(厚生労働省)の持つ問題の本質が透けて見えてくる。
すでに2000年、介護保険制度の運用が始まってから要介護認定件数は増大し(350万人)、その費用は4年間で3兆円から7兆円に倍増している。コムスン会長の折口氏がそこにビジネスチャンスを見たのはもっともだ。何せ官製マーケットなのだから安定感がある。
が、しかし、介護保険制度の趣旨はすべての人が等しく受けられるものでなければならないし、いかに地域コミュニティ、あるいはNPO法人などによる相互ケアーを確立していくかにかかっている。
もともとこれからの高齢化社会を考えれば、予防介護、つまり動けなくなる老人(専門用語で虚弱高齢者)の割合を如何に下げるかにかかっている。地域の特質の中で、西会津のように行政とボランティアを含めた取り組みが欠かせない仕事だと思う。
介護事業も民営化の一環として注目されたわけだが、一定の条件を課せられた、いわゆる権益を作り出す許認可事業である。通常の経営感覚、価値観では成り立たない。ビジネスモデルそのものに無理がある。問題がおこれば、民間の責任。トカゲのしっぽきりということになる。利用者にとって見れば晴天のへきれき、いかんともしがたい。
少なくとも介護事業は地域ごとの取り組みが肝要だ。コムスンのように全国一律を目指す、動けない老人が増えることによってのみ成立するチェーン展開の事業の先に、高齢化社会の日本の姿は描けない。そうした事業を認可した厚生労働省の描く日本の姿とは、そもそもどのようなものなのか。疑義を感じるのは僕だけだろうか。
いきなり村でやっている「ダンベル体操」のデモンストレーションから始まったのにはびっくり

西会津は保健・医療・福祉を連携する「トータルケアの町づくり」に取り組んで、かれこれ13年近くになる。
この西会津の取り組みは、実は全国的にも有名だ。というのはこの13年にわたる細やかなケアーの結果、町の国保一人当たりの医療費は平成16年度、老人医療費で全国平均より△141,841円、一人当たりの国民健康保険税(介護分含む)で△21,684円と少なく、医療費総体が圧倒的に減っているという結果が出ているからだ。

高齢化率35.90%(国の高齢化率17.30%)という、日本でも有数の高齢化率の高い町での話しである。つまり介護を必要としないお年寄りがとても多くなったのだ。いわば予防介護に徹した結果なのだ。
西会津町の詳しい取り組みはここをクリック
さらに「町の紹介」のなかの「百歳への挑戦」をクリック、さらに「トータルケアーの歩み」をクリックすると詳しい報告書がPDFで見ることが出来る。
この町は、最初から予算を取り、栄養学などのプロ、つまり研究者との連携をきちんと図り、さらに町内のコミュニケーションを確実にするため、町独自のケーブルテレビ局まで立ち上げ、料理メニューや具体的取り組み番組を作るなど、今や一人一人の健康情報(カルテ等)をトータルにケアーするインターネット環境も完璧だ。

写真は村のケーブルテレビ局、インターネットも完備
さらに特筆すべきは、農業自体にメスを入れたことだ。
西会津は町をあげてミネラル野菜作りに取り組んでいる。これはミネラル農法で有名な中島充氏の指導によるものだが、日本の農地は化学肥料の多投で、いわゆるチッソ、リン酸、カリ、特にチッソ過剰状態、その結果、微量要素(マンガンとかマグネシウム等)が不足し、健康な野菜が育たない。従って、土壌分析をしっかりした上で不足しているミネラルを補充しながら土壌改善をする。健康な野菜はいい土からが原則。結果、作物自体が丈夫になり、農薬も減る。
滋味豊かな土で育った健康な野菜は味もいい。そしてミネラル野菜をたくさん食べる。この町が選択した医療費削減、介護の充実を図る基本の取り組みだ。
コムスン介護問題
ちょうどコムスンの介護事業が問題になっている。ちょっと容認できるようなことではないが、何故そうなったか。個人の資質ではなく、原因は冷静に見つめなくてはならない。
西会津のようなしっかりした取り組み。ケーブルテレビによるコミュニケーションとそのインフラを利用したインターネットによる個人別カルテでの、在宅ケアー体制という最先端技術から、「一粒の畑の土作り」にいたる奥の深い取り組みと比較すると、今回のコムスンそして国(厚生労働省)の持つ問題の本質が透けて見えてくる。
すでに2000年、介護保険制度の運用が始まってから要介護認定件数は増大し(350万人)、その費用は4年間で3兆円から7兆円に倍増している。コムスン会長の折口氏がそこにビジネスチャンスを見たのはもっともだ。何せ官製マーケットなのだから安定感がある。
が、しかし、介護保険制度の趣旨はすべての人が等しく受けられるものでなければならないし、いかに地域コミュニティ、あるいはNPO法人などによる相互ケアーを確立していくかにかかっている。
もともとこれからの高齢化社会を考えれば、予防介護、つまり動けなくなる老人(専門用語で虚弱高齢者)の割合を如何に下げるかにかかっている。地域の特質の中で、西会津のように行政とボランティアを含めた取り組みが欠かせない仕事だと思う。
介護事業も民営化の一環として注目されたわけだが、一定の条件を課せられた、いわゆる権益を作り出す許認可事業である。通常の経営感覚、価値観では成り立たない。ビジネスモデルそのものに無理がある。問題がおこれば、民間の責任。トカゲのしっぽきりということになる。利用者にとって見れば晴天のへきれき、いかんともしがたい。
少なくとも介護事業は地域ごとの取り組みが肝要だ。コムスンのように全国一律を目指す、動けない老人が増えることによってのみ成立するチェーン展開の事業の先に、高齢化社会の日本の姿は描けない。そうした事業を認可した厚生労働省の描く日本の姿とは、そもそもどのようなものなのか。疑義を感じるのは僕だけだろうか。


