2007年04月29日

北へ向かえば二度目の春−フードトラストと雪下野菜−

今年は東京でも桜をよく見ることが出来た。ここ数年、満開になると雨と強風でなかなかカラッとした桜を見ることが出来なかったような気がする。二度目の桜













今回、フードトラストの可能性を追って、4月27日、以前にも書いた会津の野菜にこだわり続けている会津丸果青果の鈴木新専務を訪ね、どんな取り組みをしているのかを知りたくて会津を訪れた。

郡山から磐越線にのりかえ、猪苗代湖付近になったころ目の前に満開の桜、そう日本は南北に長い国、北へ向かえば二度目の春という気分。四季の豊かさを改めて感じた会津行きであった。

ところで今回は会津坂下(ばんげ)と西会津を訪れたのだが、坂下は、ぼくらの世代だととても郷愁を感じる歌、「別れの一本杉」を歌った春日八郎の出た村で春日八郎記念館というのがある。そこにある碑の前に立つと「別れの一本杉」という歌が流れ出すという仕掛けに、つい一緒に歌ってしまった。春日八郎の碑













別れの一本杉
泣けた、泣けた、こらえきれずに泣けたっけ
あの娘(こ)と別れた悲しさに
山のかけすも泣いていた
一本杉の
石の地蔵さんのよ、村はずれ











兎にも角にも会津は魅力的な地域だ。今回案内してもらった鈴木さんは昨年から「雪下野菜」に挑戦している。
 
会津はもともと雪深いところ、農産物出荷はおおよそ6月から10月。農家は冬の野菜を確保するため昔からキャベツなどは雪がかぶったままで畑に、ニンジンや大根は一度収穫して畑に埋め、そのまま雪がかぶったまま保存してきた。いわば氷温保存になる。

するとかえって甘くなったり、やわらかくなったり食味が増すことを経験的に知っていたのだが、近年それが「雪下野菜」といってマーケットで評価され始めた。

こういうのは単純に差別化された付加価値農産物というふうに理解されがちだが、もう少し深く考えると、もっと本質的価値に気付く。

雪下保存の野菜文化は新潟、山形、青森、秋田など北陸や東北地方には少なからずある。どこも野菜生産は半年弱しかない。延ばそうと思えば、豪雪に負けない頑丈なハウス、石油をたいて加温することが必要になり、近年の資材や石油の高騰、環境問題を考えれば特に今後長続きする農業にはならない。

雪下野菜がブランドとして普及すれば、石油資源に頼らず、倍の生産をしたうえで5ヶ月の出荷期間を8ヶ月から9ヶ月に延ばすことが出来る。さらにそれを原料にした農産加工品などが普及すれば、農業の多様性が確保できる可能性もある。さらに環境問題にも貢献できることになる。

ところが難しさもある。異常気象の影響だ。一昨年は豪雪のため掘り出すのが大変で、出荷を放棄せざるを得ない状態が多くあった。ところが昨年末から今年の冬は雪がないという状態。これでは雪下にならない。

まあしかしだ。じっくり考えれば、氷温保存で野菜が旨くなるという本質がわかれば解決策はある。

雪下野菜はフードトラストの取り組みとしても面白いのだ。
  

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